普段受け持つ生徒から質問があったので、大学で学ぶ「電子軌道」の知識についてまとめておこうと思います。
高校化学で習う「電子殻」による知識を、「電子軌道」によって表現し直すと以下のようになります。
★電子は粒状で電子殻(K殻、L殻...)を飛び回っている。
→ 電子は雲のようなもので、電子軌道(s軌道、p軌道...)に存在している。
★電子の収容数は、K殻(n=1)に2個、L殻(n=2)に8個入る。
→ 第1周期の元素には1s軌道が存在する。第2周期の元素には2s軌道が1つ、2p軌道が3つ存在する。各軌道には電子が2個ずつ入る。
★電子式を書くときは、元素の周りに1つずつ不対電子が配置してから電子対を作る。
=フントの規則
★共有結合は、2原子間の不対電子(原子殻)が共有されることで生じる。
→ 2原子の電子軌道が互いに近づくことで重なり、分子軌道を形成する。重なる際に、原子軌道は安定になるように混成軌道に変化する。
★有機化学におけるC間の単結合と不飽和結合
→ 距離(形状)が近いどうしの軌道(1sと1s、2sと2pxなど)が重なるとσ結合、距離が遠いどうしの軌道(2pと2pなど)が重なるとπ結合を形成する。π結合の方が切れやすい。
★ベンゼン環は置換反応しやすい。
→ ベンゼン環上のπ電子が非局在化することで安定化し、付加反応が起こりにくくなっている。
大学入試で覚えておいて得になるのは、以上の内容くらいでしょう。
「電子軌道」について更に詳しく学びたいという意識の高い方には、以下に参考になりそうな動画やHPを紹介しておきましたので、参照してみてください。
<電子軌道とは>
化学I 07 予習 原子論II
https://www.youtube.com/watch?v=1Ckfpoi5Qlk
【無機化学】電子配置の基本(電子軌道、電子スピンなど)【特別講義】
https://www.youtube.com/watch?v=I_fTR-0TZ4o
http://www.irohabook.com/electron-shell
http://kagakumania.seesaa.net/article/414632984.html
https://kusuri-jouhou.com/chemistry/orbit.html
<混成軌道>
Hybrid Orbital Formation
https://www.youtube.com/watch?v=SJdllffWUqg
混成軌道の形をCGで示してくれています。
http://sekatsu-kagaku.sub.jp/hybridized-orbital.htm
https://medi-information.com/?p=1487
<錯イオンの形>
Trick for the VBT/Valence bond theory/coordination compounds.
https://www.youtube.com/watch?v=86rNPVAtj0Y
Cr 3+ complex ion hybridization d2sp3
https://www.youtube.com/watch?v=WPD6SdDLWzs
Fe2+ complex ion hybridization sp3d2
https://www.youtube.com/watch?v=llWZy3GKVic
Lecture: Coordination Compounds - 1
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